雲と雪に閉ざされた3ヶ月 1月 16日, 2010年 by 阿月まり
この冬は、私が初めてポーランドに来た時に似ている。
空は毎日のようにどんよりと重く、時折、強く吹く風が屋根に積もった雪を舞い上げ、踏み固められた氷が道路を覆い尽くす。
膝まですっぽり埋まりそうな雪の中を、寒さに凍えながら郵便局まで歩いた、あれが本当に「初めて体験した雪国」の冬だった。
それからしばらく暖冬が続き、ああまで覚悟していた雪国の冬はどこに行ったのだろう……これは本格的に地球規模の温暖化なのか……なんて思っていたら、この様だ。
もう3ヶ月ほど、青空を見ていない。一瞬、青く晴れ上がった午後が、二日、三日、あったぐらい。
あとはずっと曇り。もしくは雪。
あったか都会育ちの私が、何だってこんな雪を体験しなければならないのか。
時々、気が滅入ってならない。
にもかかわらず、子供達は元気だ。
ソリを片手に外に飛び出して行く。
白い雪の中で、近所の子供達と笑い転げている姿を見ると、もう、ベビーカーごと雪に埋もれて、身動き取れなくなるようなあの日々は完全に過ぎ去ったのだ……と思う一方、あの重さが懐かしくもある。
よくあんな雪の中を、ダルマみたいに着ぶくれした生後半年の息子をベビーカーに乗せて、ほぼ毎日、スーパーに通ったものだと思う。
溝にはまって、身動き取れなくなった時、腰の曲がったおじいさんに助けられた時は、いつかこのポーランドに恩返ししようと、心に強く誓ったものだ。
私は、ここの暮らしがとことん気に入っているわけでもなく(基本的に都会大好きのMaterial Girl なので)、まして「文化活動」に興味があるわけでもない。
ただ、日本から遠く離れた北の僻地に、こうした人の心と暮らしが存在する──ということが、私にとって守るべき文化であり、尊敬すべきことなのだ。
もちろん、我先に追い抜いて行く堪え性のないドライバーには毎日のように腹が立つけれど(笑)
まあ、それにしても、この冬は長い。
いまだ鳥のさえずりは聞こえず、川辺に立つネコヤナギも寒さに凍えているかのよう。
でも、一日、一日、雪解けに近づいている、それだけは確か。
公園に、一冬こえてまた一回り大きくなった子供達が戻ってくる頃には、新しい流れが見えてくるかもしれない。

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